[過去記事 元:2005-10-24 15:40:13]
身近な例だけど、下請けや孫請けのSI組織には、ほとんど定年退職者がいない。
ベンチャーと呼ばれる新興企業では、ほとんどのメンバーが同じ世代であることが多い。
一般企業でも、リストラや転職、人材派遣や定年前解雇&再雇用などによって、人材の効率的配置が進んでいるらしい。
社会的にも、定年の延長や年金不安で、できるだけ長く働かなくてはいけない状況になってきている。
つまり、従来の世代交代的な定年退職は見かけなくなってきているような気がする。
ここで、定年退職のある組織と、ない組織をモデル的に比較・検討してみたい。
説明するために下のような人材構成の組織で、5年で定年退職のある場合と、ない場合を比較する。
A 5年目 給与 500円 技術点 4
B 4年目 給与 400円 技術点 3
C 3年目 給与 300円 技術点 2
D 2年目 給与 200円 技術点 1
E 1年目 給与 100円 技術点 0
・人件費
定年退職者がいる場合、毎年新卒を新規採用をしても、定期昇給しても総人件費は変わらない。Aが退職して、新たに新卒Fを採用して、100円ずつ昇給しても総人件費は1500円と変わらない。
A 退職
B 5年目 給与 500円 100円アップ
C 4年目 給与 400円 100円アップ
D 3年目 給与 300円 100円アップ
E 2年目 給与 200円 100円アップ
F 1年目 給与 100円 入社
いっぽう、退職者のいない組織の場合は新卒を採用して、100円ずつ昇給すると総人件費は2100円に跳ね上がる(新卒者を採用しなければ2000円)。
A 6年目 給与 600円 100円アップ
B 5年目 給与 500円 100円アップ
C 4年目 給与 400円 100円アップ
D 3年目 給与 300円 100円アップ
E 2年目 給与 200円 100円アップ
F 1年目 給与 100円 入社
つまり継続的に定年退職者がいないと、毎年利益を増やしていかなくては、給与は頭打ちになりそうだ。
・技術
働く以上、毎年技術がアップしていくことが求められている。
1年の労働経験で一律に1技術点が得られるとすると、定年退職者のいる組織では、組織の総技術点は変わらない。定期定量的に技術の向上を図らないと組織は弱体化する。
A 退職
B 5年目 技術点 4
C 4年目 技術点 3
D 3年目 技術点 2
E 2年目 技術点 1
F 1年目 技術点 0
定年退職者のいない組織では、組織の総技術点は向上する。向上しなかったとしても、総技術点は変わらないので、現状が維持される。
A 6年目 技術点 5
B 5年目 技術点 4
C 4年目 技術点 3
D 3年目 技術点 2
E 2年目 技術点 1
F 1年目 技術点 0
この向上した技術点を原資に、人件費を稼がなくてはいけないため、労働内容は高度化するか、過酷化する。
・人材計画
定年退職者がいる場合、数年前(新卒採用)から、退職者の職種・職能を考慮して、後継者の育成ができる。
定年退職者がいない組織の場合、後継者を育成する必要がない。しかし定年でなくても、転職等によって退職者がいた場合、後継者を急遽、任命しなくてはいけない。
つまり、企業間の労働内容が標準化して、流動性を高めなくてはいけないだろう。
(今回はここまで)
後日談
労働分配率とか定期昇給は若手同級生企業(ベンチャーに限らず)ではあまり意味を持たない。
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